映カ!観てくれてありがとう!

 

にこやかで飄々としてて危なげで、さらに関西弁聞けるっていうのがまた良すぎて有難キャスティング…

 

上記の一文にお心当たりはあるだろうか。

 

そう。こちらは🌵ちゃんに勧めてもらったドラマ『MIU404』を観終えたあと、菅田将暉が演じた「久住」というキャラクターについて述べたものである。

 

私の応援してきた数々のアイドルたちを頭に思い浮かべていただいても分かるように、私は関西弁を話す色男にめっぽう弱い人間である。好みが単純明快すぎて自分でも笑えてくるほどだ。

 

映画『カラオケ行こ!』が公開されて1週間ほど経った頃、いつも仲の良い子たちのスペースを聞いたり日常生活のあれこれをラフに書き綴ったりしているあの垢のおすすめTLに突然、脚本家である野木亜紀子さんのポストが次から次へと流れてくるようになった。

昨年12月に『MIU404』を観終えたばかりで野木脚本作品への熱が高まり続けていた私がそれらの投稿をパーッと読み飛ばすなんてことは不可能に近く、吸い寄せられるように一つ一つ素直に目を通した。

そのとき読んで印象に残ったのが下の2つ。

https://x.com/nog_ak/status/1747786267511968016?s=46&t=PEnne0czUMpvOLL_7zPisA

 

https://x.com/nog_ak/status/1747803090064175325?s=46&t=PEnne0czUMpvOLL_7zPisA

 

野木さん脚本の映画が公開中⋯ ふむ⋯

「カラオケ」なのに主演の綾野剛はヤクザ役⋯?

何そのチグハグ感⋯

ていうか予告、関西弁やったよな⋯

合唱部部長がヤクザに歌を教える⋯?

(↑中高ともに合唱部で部長してた人)

 

気になる、気になる、気になる⋯

 

バイト帰り劇場に立ち寄れそうな日を検討してみるもコロナ罹患で叶わず、いつもどおり何の気なしに思ったことをポストした。

 

「カラオケ行こ!を19日のバイト終わりにでも観に行こうかと思っていたのにコロナに邪魔されて憤慨中😠😠😠」

 

そのポストを見たであろう🌵ちゃんが、どうやら空リプっぽいポストをしてくれた。

 

「カラオケ行こ!はMIU関連の垢の人が悉く魅了されてるからめちゃくちゃ気になってる、なんてったって野木さん脚本😌と剛さん。」

 

やっぱりそうなんか。

🌵ちゃんも目付けてたのか。

ならもうやっぱり観に行くべきやんか。

 

観に行こうかな〜?くらいのぼんやりした気持ちが「観に行くぞ!!」という決意に変わった瞬間だった。



本作を初めて観た1月26日、雷が落ちた。

最後のシーンが流れ、約2時間ぶりにじんわりと照明の灯る劇場内。上着を羽織り、TOHOシネマズなんば別館・スクリーン10を出ていくその瞬間にはもう既に、あの男。そう、狂児に会いたくて会いたくて仕方がなくなっていたのだ。

一緒に観ていた母とともに劇場近くの「鉄板神社」というお店で少し早めの夕飯を食べたが、その時の私の頭の中は狂児のことでいっぱいであり、料理の味も分からなければ母の話し声も右から左であった。ちなみに今回訪れたこのお店は大して美味しくもない上にぼったくり店だったので絶対に足を踏み入れないでほしい(味分かっとったんかい)。

 

前置きが無駄に長くなってしまったが、この日から私は絵に描いたような転げ落ち方で、映画『カラオケ行こ!』、そこに登場する成田狂児という人物、そしてその中の人・綾野剛の沼へと飛び込んでしまったわけである。

 



ここからは、いただいた感想に一つずつお返事する形で書いていきたいと思う。

その上で原作での描かれ方や、パンフレットで紹介されているエピソードや対談内容についても言及していくので、これから読む予定でネタバレを避けたいという場合は今すぐこのページを閉じることをお勧めしておく。

 

 

 

① 107分の放映時間でテーマは「カラオケ」とドシンプルなのに飽きさせないのが凄すぎる

→ はい。着眼点がすごいですね。実は「カラオケ行こ!」の原作漫画は1巻しか出ておらず、(続編として「ファミレス行こ。」が発売中であるが)1冊で完結しています。そのような作品を映画化するにあたって課題となったのは、本来なら1時間ほどの長さで終わってしまうこの内容をどう映画サイズに膨らませるか。

そこで脚本の野木さんが新たに加えたのが「映画を見る部」。この部活動は原作には登場しない。原作では、聡実くんの心の声やモノローグを通してその時々の聡実くんの心境・状況が説明されているが、映画ではそういった表現技法を使わない方向で、野木さんと山下監督との間で話が進んだそうだ。大っぴらに自分の心情を話さないであろう聡実くんの考えていることを表現するには、彼がフラットに話せる場所、相手が必要だった。親密に語り合うのではなく映画を観ながらボソボソ話す感じなら原作の雰囲気も壊さず入れられるのでは、と考えていった先に生まれた「映画を見る部」。野木さんの手腕が発揮されまくっている。

 

2人が劇中で観ている映画だがあの野木さんが適当に選ぶはずはなく、聡実くんの心情変化に合わせて選ばれている。例えば聡実くんを翻弄した「カズコ」発言についての真相が明かされた後に2人が観ていた映画は『自転車泥棒』。主人公親子が占い師のおばちゃんに口から出まかせを言われて金をとられるシーン。スクリーンを眺めながら「大人って汚いよな」と溢す聡実くん。

 

余談だが、ときどき挟まれる合唱部の歌唱場面で歌われている合唱曲は野木さん曰く、山下監督と音楽プロデューサーの北原さんが相談して決めたそうである。

冒頭で歌われている「影絵」という曲。

「かげが濃くなるのは 太陽が強烈なせいだよ」

「暗やみがふかくなるのは まぶしいひかりのせいだよ」

綾野剛は狂児と聡実の関係性について「聡実という煌めきが、狂児を照らしてくれた事で、狂児は存在しました」と語った。聡実くんは卒業式の日、ミナミ銀座へ足を運び、思い出の地をひとつひとつ訪れ、狂児と心を通わせたあの屋上で、一人寂しげに「紅」英詞の和訳を口にした。『記憶の中のあんたは俺の心の中で光ってるでー ピカピカやー』。狂児と聡実は、お互いにとって、強烈にまぶしい光であったことだろう。

「とまどいながら かくごしている」

→ とまどいながら狂児と関わり合っていく聡実。

「(天国はおだやかで平和ないいところらしいけど神様が注ぐ永遠の光は景色や物に影をこしらえないから)どんなに天気がいい日でも影絵遊びができないんだ」

「だから僕は死んだって天国なんかに住んだりしない」

→ 狂児は、ハイエナの兄貴(陣馬さん)(陣馬さんじゃないよ)がたんぽぽ教室へ行ってしまったあの雨の日を振り返りながらこう言った。

「そんときな、天使の歌声に出会った。お告げやと思たわ。」

「天使が来るいうことは、お迎えなんじゃないですか」と返す聡実くん。

狂児は笑いながら返す。

「おお、あの世からのお迎えかー悪ないな。⋯俺が行くのは地獄に決まっとるけどな」

合唱曲の歌詞が何かを示唆しているとすれば。

聡実くんは狂児に会えない天国なんかに住んだりしないと考えるようになるのかもしれない。

 

かなり脱線しましたが、ちなみに言うと親子の会話や合唱部での様子も原作より細かく描かれています。内容を膨らませる意図の他にも、聡実くんの日常をリアルに多めに描くことで狂児という存在のミステリアスさが増す、という狙いもあるそう。やっぱりこの人って天才や───

 

 

② 紅がすごい

→ 狂児がこだわりを持つ「紅」、こちらは言うまでもなく原作者である和山やま先生の選曲です。和山先生によると、狂児が「紅」を好きな理由は設定上特に考えておらず、世代の曲だから何となく好き、みたいなイメージだそう。誰が読んでも頭に曲が流れるような曲にしたいという意図から「紅」になったらしいです。まさに🌵ちゃんが書いた通りですね。

 

ちなみに。紅サンドイッチシーンについて。

よく見ると、狂児は「紅」を歌唱するたびにジャケットを着ている。他の曲を歌うときはシャツ姿なのにである。綾野剛が「狂児はジャケットを羽織って正装で紅を歌いたいんだ」と、スタッフに止められても譲らなかったそうだ。狂児の魂心に宿らせすぎやろ⋯(好き)

そのため紅サンドイッチであると同時に、実はジャケットサンドイッチでもあるのだ。

ルビーの指環」「マシマロ」「歩いて帰ろう」「少年時代」と歌い進めるにつれて徐々に髪が乱れ額には汗が滲みどんどん私の好きなビジュアルになっていくのは間に「紅」が挟まれているからこそである。なので聡実くん。どうか狂児を止めないでください。

 

 

綾野剛

→ ここも着眼点がさすがですね。

他のドラマ垢の方や綾野剛クラスタの方も綾野剛ってこんな声出せるん?と改めてびっくりしてたの見かけたもん、、、目の付け所がやっぱり凡人とは違うわ、、伊吹の「シマチャァン???」たしかに!!!!って大声出たしめっちゃ笑いました。

綾野剛車に轢かれがち、今日もそういった内容のポストがバズってるの見かけたな!みんな考えること同じやな、、、その方は「綾野剛が映像作品で走る場面と轢かれる場面、割合的にはどっちが多いんだろう⋯」とつぶやいていた。他の俳優さんでは恐らく滅多に見かけない天秤であろう。面白すぎる。

どうか今後も無事に様々な撮影を乗り越えてほしい。

 

 

④ 番外編

→ 野木さんが下記のようなポストをしていた。

https://x.com/nog_ak/status/1747797624588300546?s=46&t=PEnne0czUMpvOLL_7zPisA

 

まさにである。ドンピシャすぎる。

私は事前にこのポストも読んでいたので探しながら観ていたのだが、知らずに観に行ったのであればさぞ興奮したことだろう。気づいてないかもしれないので言っておくと『MIU404』で陣馬さんの息子役を演じた伊島空さんも、ヤクザの若えもん(新藤)役で出演している。「残酷な天使のテーゼ」歌唱後、聡実くんに「息が続いてないので、体力つけてください」と言われその場で腕立て伏せを始めていたあの彼である。

 

https://x.com/moviekaraokeiko/status/1748284172240814330?s=46&t=PEnne0czUMpvOLL_7zPisA

 

こちらの画像、陣馬さんの息子さんはいないけど目に善いので見てください。齋藤潤くんと橋本じゅんさんってダブル"じゅん"やね。

齋藤潤くんさん、身体が逃げてて可哀想可愛い。

 

 

⑤ 映画館でこういう映画を観たかった!

→ ここの項目、自分が本作を映画館で観て良かったと感じた理由と、普段配信サービスで映画作品になかなか手を出す気になれない理由が非常に分かりやすく言語化されていて深く共感し、そして感心しました。勉強になりました。ありがとう!思えば野木さんもぜひ"映画館で"観てほしいって仰ってたな。いやあ〜、観てよかったね、、、良い作品に出会ったわ、、、

 

ちなみに、現時点で7回観た私の統計ですが、公開から時間が経つにつれて笑い声はどうしても少なくなってしまっているけども、聡実くんのお母さんが鶴柄の傘をバン!と開いて見せる場面と、ヤクザ衆のカラオケ披露場面は絶対に毎回ウケています。大阪の劇場でこんなにウケるなら全国どこに出しても大丈夫やわ⋯と謎に安堵してしまった。何様やねん。

 

 

私の感想や考察ではあまりにも物足りないので、以下に感銘を受けた他の方のポストを貼っ付けておきます。よければどうぞ。

 

https://x.com/harukaze2208/status/1754353668772786322?s=46&t=PEnne0czUMpvOLL_7zPisA

 

https://x.com/unnatural_67/status/1748027517104226416?s=46&t=PEnne0czUMpvOLL_7zPisA

 

https://x.com/_valtyyy/status/1758752196332843319?s=46&t=PEnne0czUMpvOLL_7zPisA

 

https://x.com/_valtyyy/status/1758839207483912352?s=46&t=PEnne0czUMpvOLL_7zPisA

 

おまけで「映画を見る部」の聡実くん栗山くんの素敵なファンアートがあったので見てくださいhttps://x.com/he85939120/status/1752277107408015444?s=46&t=PEnne0czUMpvOLL_7zPisA

 

 

あと(まだ話すの?)、シナリオ本が手に入ったので綾野剛さんのアドリブについて書きます。

カットがかかるまで時間があったので綾野剛さんは頻繁にアドリブ芝居をぶっこんだそうですが、なんせ関西弁なのでどんなにアドリブのセンスが良くても方言的にイントネーションが駄目で使われないことが今作では多かったそうです。そんな中で採用されたアドリブが、意地を張って肘をつきながらチャーハン食べ続ける聡実くんへの「ひじ聡実〜♪」と、屋上シーンで聡実くんにチクチク言葉を放たれて狂児が言った「刺さってもうた矢抜いて〜」。

 

もし2度目を観る機会があればチェックしてみてください。

 

 

信じられないくらい長くなったのに最後まで目を通してくれたあなたはもしかしなくても聖母です。ありがとう!スペースで語ることがないくらい書ききっちゃったかもしれない()けど、良かったらぜひ語りましょう🥰

 

 

感想おまけ

 

年末のあの発表から1日経って、日付が変わって、新年を迎えてすぐの夜中、母親とふたりで見るものも特にないしそういやTVerMIU404配信されてるから見よか〜、と思い立ってテレビ画面にMIU404のページが表示された瞬間に、3話でピタゴラ装置を前に志摩が九ちゃんに語ったセリフが自動的に脳内再生されて、そのとき初めて誰かといるときに泣きました

️ ️️ ️

️ ️️ ️

彼の行き先を変えたスイッチは何だったんだろうか。

どうしてこんなことになってしまったのか。

️ ️️ ️

私には何もわからない。

️ ️️ ️

️ ️️ ️

推し始めたのは2020年。2023年は絶対に大事な年になると思って例年よりさらにギアを上げて応援してきた1年だった。できることは全部やった。自分に可能な範囲でスイッチになり得そうなことは全部。少しでも力になりたかった。役に立ちたかった。でも結局こうなってしまった。私のせいではない。なぜなら蓋を開けてみれば彼の人生と私の存在とは何の関わりもないから。

️ ️️ ️

オタクはアイドルのことを表面的には熟知してて、アイドルを好きになるということは人との縁にも場所との縁にもなり得て、多くの場合は良いスイッチになる。

でも、アイドルはオタク一人一人のことなんか知らないし人生の中でオタクの人生と交わることなんて滅多にない。オタク()にとってアイドルを応援することは良いスイッチになったのに、私はアイドルのスイッチにはなれない無力な存在だったということをこれでもかと思い知らされて、虚しくて泣いてしまった。

️ ️️ ️

️ ️️ ️

それまで勝手に涙が出たりはあったけど気持ちの整理もついてないままやったから、このときをきっかけに自分の気持ちと向き合って整理できるようになったと思う。なんか、あんな書き方したからMIU404のせいで泣いたみたいになってるけど、そんなふうには決して思ってません。

️ ️️ ️

️ ️️ ️

あんな核心突きまくりのセリフを生み出した野木さん、演技力でこのセリフの説得力を何倍増しにもした源さん、シンプルにあの装置を作り上げたスタッフの皆さん、みんなに拍手喝采を送りたい名シーンでした。

️ ️️ ️

追憶

 

 

2018年7月12日更新 レンジャー日記

・すばるくん 一部抜粋

 

・亮ちゃん 全文

 ️ ️️ ️

 

 

2020年6月20日公開

亮ちゃん GQ JAPAN インタビュー

 一部抜粋 ↓

 

 記事全文 ↓

  https://www.gqjapan.jp/culture/article/20200620-a-day-in-the-life-of-ryo-nishikido

 

 

2020年12月4日発売

丸ちゃん 日経エンタテインメント「魂の歌」

 一部抜粋 ↓